惰性でイ㌔

カテゴリ:いろんな小説( 3 )

スノードロップ3~失ったもの~

冷ややかな風が闇とともに夜の砂漠を包み込む

しかし普段の静寂に満ちた砂漠ではなく、今宵は紅蓮の炎が夜闇を照らしている

燃えさかる家々

息絶えた人々の骸が炎に焼かれ浄化されてゆく

その炎の領域の中心には唯一の生存者である少年がいた

炎の円舞に囲まれて、膝を突き虚空を見つめている

生気のほとんど宿っていない瞳

右手には血塗れた小剣が

左腕には絶望の表情で息絶えた妹が

足元には今日まで彼を見守り続けた両親の骸が


「あ……ああっ……」


頭が痛い

胸が苦しい

全身を倦怠感が包み込む

目の前の光景が信じられない


「ああ…ああああ……あああああああああっ」


これが絶望というものか

これが地獄というものか

少年を救うものは誰もいない

いや、いなくなってしまったのだ

「ああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ」


幼い彼にできるのは、泣きじゃくることだけで

弱い彼にできるのは、絶望の叫びを上げるだけで

すべてを失った彼にできることは、愛しい妹の亡骸を抱きながら世界を憎悪することだけだった











「っ……あれ、ここ、は?」

「目が覚めたか」


銀糸の髪を持つ少女が目覚めたのは、彼女が気を失ってから次の日の昼間のことだった。

目覚めのつぶやきに反応があったことで、彼女の体が強張る。


「そう身構えるな、俺は……少なくとも危害は加えるつもりはない」


ある程度この反応は予想していたのだろう。

リゼルは少女を怖がらせないように、できる限り穏やかな調子であろうと心がける。


「ここはどこ?貴方は誰?貴方が助けてくれたの?」

「ここは俺の家で、俺の名前はリゼル、そして助けたといえるかどうかはわからんが、あの小悪党共は追い払った」


少女の矢継ぎ早な質問に、丁寧に答えてゆくリゼル。

だが、質問に答えるだけではない。

少女には聞きたいことが山ほどあるのだ。


「とりあえずだ、君は何者だ。名前は?家族は?どうしてあいつらに追われていた?それもあんなぼろ衣のような格好で」


しかし、少女の反応はリゼルの予想とは違った。


「ぼろ衣のような格好……あれっ?そういえば、この服は……?」


現在少女はリゼルの服を着せられていた。

少女の体格にはまったくといっていいほどサイズが合っておらず、だぼだぼで袖も長すぎる。

しかし、少女はそんなことは気にしない。

むしろ……


「あのー、その、前の服どうしました?」

「はぁ?」


間抜けた声を出してしまうリゼル。

何を言っているのだろうといった表情だったが、次第に少女の言葉の意味を理解していく。


「あー、悪いとは思ったが、服は着せ替えた。あんなもの着ていられているとこちらも困るんでな」


着せ替えた。

着せ替えた。

(新しい服を着せるために前の服を脱がして、全裸にし)着せ替えた。


「きゃあああああああああああ!」


昼のプロンテラに少女の悲鳴と、何かをひっぱたいた音が響き渡った。









「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!」

「ああ、もういいから、俺も悪かった」


左頬にもみじを作ったリゼルに、少女が必死で謝り倒している。

ちなみに二人は騎士団駐在所帰りである。

何故駐在所帰りかといえば、少女がリゼルを引っ叩き悲鳴を上げたとき、偶然にも街を巡回していた二人組みの騎士がリゼルの家の前を通ったのである。

驚いた騎士が家に押し入り見たものは、必死に少女の口を押さえこみ、少女に襲い掛かろうとしている男と(悲鳴を止めるために口をふさごうとしているリゼルと)、半泣きで怯えながら男に襲われかかっている美少女(裸を見られたショックで泣き叫ぶ少女)。

騎士達は思った、少女が危ない。と。

その後、少女の悲鳴を止めるので必死だったリゼルは、騎士達に捕まり事情聴取となったわけである。

「ごめんなさい、ごめんなさいぃ~」

「だからもういいって言ってるだろう、それよりも大事なことがあるだろうが」


いい加減大声で謝っていられると周りの目が痛い。

それはそれは痛い。心なしか周りから冷たい目で見られている気がする。

だが、それはまだ別によしとしよう。リゼルは思考を切り替える。


「謝る暇があれば自分の心配をしろ、アリア」

「で、でも、思い出そうとしても思い出せないから仕方ないじゃないですかぁ……」


そう、少女はアリアという名前以外のすべてを失っていた。









_____________________________________
あとがきみたいなもの



久々に書きました、スノードロップ

正直微妙に設定を忘れてます

そして口調も少し違うかもしれない

前話を見直そうと思ったら、文章が下手すぎて恥ずかしくて読めない

なんだこの羞恥プレイ!

とかいろいろありながらの更新

今回で二人がちゃんと出会ったので、三人称視点での文となります

前回までは一人称だったので、ちょっと難しかったなぁとか

とりあえず、今度から部活までの空き時間とかに小説は書こうかと思います

では、今回はこれにて

ノシ








web拍手を送る:でもたぶん次ぎ書くときにはまた設定忘れてる

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by moresiru | 2007-05-16 15:32 | いろんな小説

スノードロップ2~保護~

side-少女


夜の街を私は駆け抜ける。
建物の前に置かれたランプの光が、素足を晒す。
靴をはいていないせいで、足はもう血がにじんでいるのか一歩を踏み出すたびに激痛が走る。
でも、止まるわけにはいかない。
どこに向かえばいいのかなんてわからない。
ただただ、私は走り続けている。
月の光だけが私の行く先を示してくれているようだ。
明かりすらまともにない裏路地の風景が流れていく。
怖い。怖い。心が悲鳴をあげる。
どうしよう。どうしよう。どうすればいい。
わからない。わからない。誰も教えてはくれない。

「助けて……!だれかっ!」

思わず助けを求めて叫んでしまう。
だが、それは状況を悪化させるだけ。

「いたぞ、こっちだ!」
「っ!!」

声を上げるということは人の注意をひきつけるもの。
その声は助けを求める相手だけでなく、『奴等』の注意をひきつける。
まして、いるかどうかもわからない相手よりも、『奴等』を呼び寄せる可能性のほうが高かった。
だめだ。いやだ!どうして私が?
答えを求めてもわからない。
だって私は、知らないのだから。
何もかもがわからない。
ただわかるのは逃げなければいけないということだけ。
つかまれば終わってしまう。
それだけをわかっていれば今はいい。
他の事は後から考えるだけだ。
そう、たとえば――

「きゃぁっ」

痛い、痛いよ。
考え事をしていたからか、私は道のでっぱりに足をつまずいて転んでしまった。
まずい、このままでは捕まってしまう。
立て、立て、立ち上がって!
でも体はいうことを聞かず。
体を震わせるのが精一杯というありさま。
弱りきってなおかつ空腹な体はもう動くことさえも拒む。

「動いて、動いてよ……!」

必死で両手に力を込めて体を起こす。
ぼろ衣のような服の袖から見える、白くやつれた腕に朱の色がにじんでいる。
血を見たからか痛みが増したように思え、思わず涙が頬を伝う。

「だれか助けて、だれか……」

震える声を搾り出す。
もう私には助けを呼ぶことしかできない。
だれか、だれか、だれか。
私を――助けて。

「誰だ!どこにいる!」

『奴等』とは違う声。
若い男の人の声。
もしかしたら、私を追いかけていた『奴等』の仲間なのかもしれない。
でも、もうそんなのはどうでもよかった。
だれでもいい、だれでもいい。
だから助けて。

「こっ……ち、こっち、だよ」

お願いだから届きますように。
私の声が届きますように。
そして、私を助けてください。
闇の中から救い上げてください。
お願いだから、お願いだから……。
ガシャガシャという足音とともに黒髪の騎士が目の前に現れたのを見て、私の意識は闇に包まれた。



side-リゼル


「おい、おいっしっかりしろ!」

少女が倒れこむように気絶したのをきっかけに、俺は我に返った。
脈は……大丈夫そうだな。
だが衰弱が激しいように見える。
この寒空の下ではいつ体調か悪化するかわからない。
あまりのぼろぼろさのため服の機能を充分に満たしていない服をきた体に、俺は背中のマントをはずし巻きつける。
これで少しはマシになるだろう。
俺は少女を抱え家に連れて帰ろうと――

「待ってくれるかねぇ、騎士様」

道をふさぎつつ、三人の悪漢がこちらを見下したような目を向け、声をかけてくる。

「誰だ、お前は。悪いが、貴様らのような輩を相手にしている暇も時間もないんでな、そこを通してもらおうか」
「ぶひゃひゃひゃひゃ、バカいっちゃなんねぇ、通してほしけりゃ――わかんだろ?」

リーダー格らしい、赤髪逆毛の悪漢が下卑た笑い声をあげる。
なんとなく予想はしていた。
おそらくこいつ等は少女に対して危害を加えようとしていたのだろう。
少女のやつれ具合や、悲鳴。
おそらくこいつ等は――

「暴行、いや人攫い……といったところか」
「ぴんぽーん。正解だよ騎士さま。もっとも景品もなーんにもないがねぇ。とりあえず、うちの商品帰してくれるかねぇ?」
「断るといえば?」
「ぶひゃひゃひゃひゃ、やれっお前ら――ってあれ?」

少女を左手で抱き上げもう片方の腕で両手剣を一閃する。
銀の軌跡はリーダー格の男の片腕に吸い込まれ、赤いしぶきを撒き散らす。
歴戦の戦士であるリゼルの剣筋によって繰り出される、名工の鍛え上げた剣は正確に男の右腕を両断した。

「ぎゃああああ、腕が、腕が、腕が、俺の腕があああああ、痛ぇ痛ぇ痛ぇ」

相手の出方を待つ気などさらさらない。
俺は泣き叫ぶ男の鳩尾を蹴り上げ、状況を理解できていない残りの二人の顎を剣のつばで殴り昏倒させる。

「俺は貴様等のような人種が嫌いでな、殺されたくなければ二度と目の前に現れるな。もっとも聞こえていればの話だがな」

このままほおっておけば男たちは死ぬかもしれない。
だが俺にとってそんなことはどうでもいいことだ。
少女を見る限り急いだほうがよさそうなのはわかった。
俺は少女を両手で抱えなおし、帰路を急いだ。





web拍手を送る:なかなか上手くかけないなぁ

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by moresiru | 2007-02-06 16:28 | いろんな小説

スノードロップ1 ~出会いを告げる花~

とりあえず、ちょこちょこっと書いてみました(・ω・)

もっとも面白いかどうかは別問題ですが('A`)

とりあえず、見てもらえた人に楽しんでもらえればなぁと思います

タイトルは「スノードロップ」です

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「ふぅ…」

アルコールの混ざった吐息が夜の酒場の喧騒に飲まれる。
軽装鎧と長剣を携えながら酒をあおる。
一日の終わりに安酒をかっくらって疲れを癒すのが俺の日常だ。
もっとも今日はそれだけではないのだが。

「よーうリゼル、元気そうじゃねえか」

わざとらしく煙草の煙を俺に吹きかけながら、青髪のハイプリーストが声をかけてきて横の席に座った。
こいつの名前はジェイク、ノービス時代からの腐れ縁でありギルドのマスターもやっている。

「元気そうだじゃねぇ、遅いんだよお前は」

そう、今日はこいつと『商談』があったのだ。にもかかわらず1時間も遅れてきやがった。

「まぁ、そうカッカするなよ」
「無駄話をする気はない、さっさと報酬をいいやがれ」

やれやれといった感じで肩をすくめるジェイク。

「ったくせっかちだねぇこのロードナイト様は、そんなんじゃ女にもてねぇぞ?」
「るせーよ、この放蕩聖職者!酒、女、タバコ、お前ホントに聖職者か?」
「カカカ、違ぇねぇ。ま、神なんざはなっから信じちゃいねぇがれっきとした聖職者だぜ。それも高位のな。……おっと、そんな話はどうでもいいか、とりあえず今回は1M+経費ってことでどうだ?」
「まぁ、妥当なところだろう」

俺はロードナイトのリゼル、俗に言う『傭兵』をやっている。
そしてジェイクはギルドマスターを――それもGVレーサーギルドを――やっている。
腐れ縁ではあるものの、ギルドに所属はしていない俺をコイツはGVレーサーとして雇う。
それが『商談』

「はぁ~あ、お前さんが俺のギルドにいてくれりゃ、俺も高い金を払わずにすむんだがなぁ」
「お前の気持ちは分かるがな、俺は他人と馴れ合うのが好きじゃないんだよ」

俺はギルドに所属はしない。
ありたいていにいえば、あまり人が好きではないのだ。
一部の例外を除いて、俺は友人と呼べる親しい間柄の人間はほとんどいない。

「とりあえず、明日の夜7時ごろに俺のギルドの溜まり場に来てくれ。今回の作戦等々の会議もあるんでな」
「分かったよ、お前じゃあるまいし時間には遅れん」
「根に持つやつだな……。遅れたのは悪かったっての、ここの勘定してやるから許せって」
「ご馳走さん、ついでに飯追加していいか?」
「死ねちゃっかり者」

隣でくっそー、今月は懐が寂しいぜーとか言ってる馬鹿がいるが気にしないで俺は店を出た。




「月が綺麗だな」
ほろ酔いの体を冷たい夜風が包み、火照りを冷ましていく。
月光が町を照らし、夜ではあるものの灯りを使う必要はない。
通りに面した家々からは暖かな光が漏れ、家族団欒の声が帰路につこうとする俺の耳をなでてゆく。
俺はこの時間が好きだ。
昼の人々の喧騒に包まれたプロンテラではなく、夜の静寂に包まれたプロンテラが好きだ。
孤独な俺を優しく包み込んでくれるこの闇が。
……やはり酔っているのか、わけのわからないことを考えてしまう。

「花はいかがですかー、綺麗な花はいかがですかー?」

そんな俺の前で、花売り商人の少女が夜中だというのに花を売っている。
近くに人影はいないというのに花など売れるのだろうか。

「そこの黒髪の騎士様、綺麗な花はいかがですか」

もしや俺のことなのだろうか。
周りを見渡してみるが近くに他に人はいない。
思わず自分を指差してしまう。

「そうですそうです、そこの貴方です。どうです、心に余裕を貴方に花を。きっと優しい気持ちになれますよ」

営業スマイルで花を勧めてくる少女。

「いや、俺は花は……」
「いえいえ、そうおっしゃらずに、こちらのスノードロップなどオススメですよ?」

そういって強引に花を押し付けてくる。
あまりに強く握っているのか、白い花の茎がこのままでは折れそうだ。
このまま買わなければ家までついてきそうな少女の押し売りに、俺は根負けしてしまった。

「わかった、わかったよ、買うから、――はぁー無駄な出費が……」
「無駄ではありません、花は心を豊かにしてくれます。きっと貴方の心を癒してくれるはずです!」
「はいはい、それだといいですねー」

早く少女から解放されたくて俺は花代の5zを渡し、足早に立ち去ろうとした。
その背中に花売り少女の嬉しそうな声がかかる。

「まいどあり~♪スノードロップの花言葉は『希望、慰め、楽しい予告』ですよ~!騎士さまに新しい出会いがあらんことを~」

勝手なことを言ってるなと思いながらそそくさと俺は立ち去った。
新しい出会い?そんなもの俺には必要ない。
俺には平穏な日常があればいい。
俺が望むのはそれだけだ。




花をどうするか迷いながら家の近くまできた俺の耳に、かすかに人の声が聞こえた。

「――たす――て、だれ――か」

消え入るような少女の声。
腐っても騎士の――人は嫌いだが人を助けるのは嫌いではない――俺はぎょっとしてあたりを見回した。

「誰だ!どこにいる!」

怒鳴る俺に確かな返答はない。が。

「こっ……ち、こっち、だよ」

かすかにではあるが聞こえる声を頼りに、俺は路地裏に駆け込んだ。
そして、俺は息を呑んでしまった。
そこにはぼろぼろの服を着た、少女が倒れていた。
だが、俺が驚いたのは少女が倒れていたからではなかった。
少女が――美しかったのだ。
少しつやが消えてはいたが腰元まで伸びた銀糸のような髪。
触れれば折れてしまいそうに華奢な体。
少しやつれてはいるものの整った顔立ち。
そして、ルビーのように紅く俺の心を鷲づかみにした双眼。




まだ肌寒い冬の路地裏で。
俺は少女と――アリアと出会った。




スノードロップ――花言葉は楽しい予告





web拍手を送る:続くかどうかはわからない

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by moresiru | 2007-01-26 17:36 | いろんな小説



ROや日々の日記を不定期で書くかもしれない。RO「Lisa」鯖在住。モンクは封印しますた、苦情は受け付けない! ケミがメイン、でも名前がエロイ。とりあえずツンデレマダァー?
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